「みんな喜びで満ちていたわ
 ほんとうに嬉しかった…」
夏子さんは関東大震災の翌年入学し、ようやく完成した礼拝堂でピアノを弾きました。思い出のつまった女学校の校舎が取り壊される。
今、お別れに校舎を訪れ…
「今、ピアノ弾いてて、このまま死んでもいいわと思ったら間違っちゃったわ。フェリスの思い出がひどいのね。ひどいって感じ。強いっていうよりもひどいって感じ。だから何かにつけて思い出すのね。」 「私ね詩篇の23篇はずっと暗誦してたの。いろんな事があっても、それを思い出すと癒されるわよ。
死の陰の谷を歩むとも災いを恐れじ。汝我と共にいませばなり。汝の杖、汝の鞭、我をなぐさむ。
ね、いいでしょう。」

Copyright 2005, Junko Miura