1996 / 16mm / 53min.

独り暮らしをする92歳の祖母が
放送局の局長となって
毎朝ひとりで放送する姿を
プライベートな空間で映像化した
私的ドキュメンタリー。

一人暮らしをする92歳の祖母が不思議なことを口にするようになりました。どうしちゃったんだろうという思いから、祖母の家に泊まりに行くと、祖母は放送局の局長になったという幻想を抱いて、毎朝7時半になると、ひとりで、放送をしていました。生涯、放送という仕事に関わったことのない祖母が放送している姿を見て、人間の孤独と神秘、その生命に圧倒され、ひと夏、祖母の家に通い、撮影した作品です。

放送によって自分の世界を他人に伝えようとする彼女の孤独は、さびしいという情緒ではなく、他人とつながろうとする人間存在の抱える孤独です。
※1997年イメージフォーラムフェスティバル特選受賞
公式サイト「孤独の輪郭」へ

Copyright 2005, Junko Miura